愛の棘

妻の出産を間近に控えた高校教師の静かな日常は、ある転校生との出会いによって徐々に乱されていく。クラスに馴染めない若い女子生徒が教師に好意を寄せることで、純粋さと危うさが入り混じった微妙な関係が静かに芽生える。

当初は戸惑いと罪悪感に押しつぶされそうになるが、次第に抑えきれない欲望と執着が二人を支配していく。嘘や隠蔽、暴走する感情が関係をエスカレートさせ、やがて取り返しのつかない結末へと向かう本作は、欲望と罪悪感、権力の不均衡がもたらす悲劇を冷徹に描き出す。