クレージーモンキー／笑拳

ロンは天性の格闘センスを持ちながらも、祖父の「争うな」という言いつけを無視してだらしなく日々を過ごし、街角で喧嘩を繰り返す若者だ。腕は確かだが軽薄で、祖父や仲間の忠告を聞かずに遊び歩く彼は、同じ一族に対して残虐な虐殺を続ける冷酷な将軍の存在を知らない。ある路上の取っ組み合いで、将軍は偶然ロンの拳法の型を見てその正体を見抜き、やがて復讐の標的を定める。

将軍はロンの祖父を追い詰め、無情にも命を奪う。祖父の死はロンに自分の生き方の軽さと戦いの責任を突きつけ、ただの喧嘩好きから真の戦士へと変わるきっかけとなる。復讐と正義を胸に、彼は技を磨き精神を鍛え、怒りと哀しみを力に変えていく──その過程が、無鉄砲な若者を恐れ知らずの拳法家へと変貌させる物語である。