ブレイキング・コップス

ケベックとオンタリオの州境に掲げられた看板の前で、ホッケー幹部ベノワ・ブリセットの遺体が発見される。事件は州境の問題から両州警察が共同で担当することになり、モントリオールの敏腕だが粗野なデイビッド・ブシャールとトロントの規律重視のマーティン・ワードという全く異なる価値観の刑事がタッグを組む羽目になる。

言語も捜査スタイルも正反対の二人は、最初は激しく衝突し合いながら捜査を進める。フランス語と英語の壁、ユーモアを交えた皮肉、そして互いに対する偏見が笑いと緊張を生み、追跡劇や格闘、ハイテンポな展開が続く中で、二人の不器用な協力関係が少しずつ形作られていく。

やがて彼らは単なる犯罪解決にとどまらず、文化やアイデンティティの違いを乗り越える重要性に気づいていく。スリルとユーモアが絶妙に混ざり合ったこの作品は、バディムービーの定番要素を持ちながらも、カナダ内の地域対立を風刺的に描き、最後には意外な温かさと達成感を残す。