フィメール・トラブル

ドーン・ダベンポートは、十代の悪夢めいた青春から物語を始める。クリスマスにチャチャ・ヒールを手に入れることに執拗にこだわる彼女の姿は、見世物化された自己と刺激を求める衝動が混ざり合った奇妙なカリスマを生む。外見とパフォーマンスを武器に、常識を踏みにじる過激な自己表現へと加速していく。

やがて名声に取り憑かれた彼女は、自己顕示欲と傲慢さから手段を選ばず、破滅的な行為へと突き進む。その果てに待つのは冷酷な裁きと電気椅子という結末であり、映画は名声追求の狂気とアメリカ文化への辛辣な風刺を露骨に描き出す。