Aqua Teen Hunger Force Colon Movie Film for Theaters

2007年の本作は、奇抜で暴力的なユーモアと予想外の展開が詰まったアクション大作で、Aqua Teen Hunger Forceの起源に迫る物語です。マスター・シェイク、フライロック、ミートワドという一筋縄ではいかない三者が、不滅とされる運動器具を巡る争いに巻き込まれ、過去と現在が交錯する冒険へと引きずり込まれていきます。起源をめぐるミステリーは、時にシニカルに、時にナンセンスに描かれ、観客を予測不能な展開へと導きます。

映像は大胆でシュール、ギャグは過剰でブラックユーモアに満ちており、アニメーションならではの表現で荒唐無稽なアクションが次々と繰り広げられます。登場する敵やトラップは変幻自在で、三人の掛け合いはコミカルさと不協和音を同時に生み出し、観る者を笑わせながらも驚かせます。テンポは速く、細部に仕込まれたパロディや風刺が大人の観客にも刺さる作りになっています。

最後まで予想のつかない展開と過激な発想で押し切るこの作品は、シリーズのファンにはたまらない一方、初めて触れる人にも強烈な印象を残します。起源を描くという枠組みを借りつつ、既成概念をぶち壊すような自由奔放さが全編を貫き、観賞後には思わず振り返りたくなるようなカルト感が残ります。