Outbreak

郊外の州立公園を舞台にした本作は、公園レンジャーの夫とその妻が十代の息子の失踪に直面するところから始まる。静かな自然と閉ざされたコミュニティの中で、不穏な「アウトブレイク」が突如として広がり、外界からの孤立と情報の欠如が二人の間に疑念と恐怖を植え付ける。映像は緊張感のある静けさと断片的なカットで刻々と雰囲気を高め、観客は家族の絆が試されるさまを息を呑んで見つめることになる。

やがて外的な脅威は内面の崩壊へと転じ、現実と幻覚の境界が曖昧になっていく過程が物語の核を成す。喪失と罪悪感、相互不信が絡まり合う中で、登場人物たちは生存のためだけでなく、お互いの記憶とアイデンティティを守るために戦う。ラストに向けて胎内のように閉ざされた恐怖が増幅され、観る者に解釈を委ねる余韻と震えるような余韻を残す作品だ。