忌怪島／きかいじま

最先端のVR技術を手がける企業で、従業員たちに不可解な死が相次ぐ。現実と仮想の境界に未曾有の恐怖が潜み、日常の感覚では説明しきれない現象が次第に輪郭を現していく。誰が味方で、何が現実なのか――観る者の認識を揺さぶる導入が物語を引き締める。

真相を追う捜査や内部関係者の葛藤を通して、没入体験の光と影、技術開発に伴う倫理的な問いが浮かび上がる。映像と音響が織りなす不穏な空気は、観客を現実と虚構の狭間へと引き込み、最後まで緊張感を解かせないサスペンスとして強い印象を残す。