自己中心的でトラブル続きの女優キャンディは、リハビリに一年通うよう命じられ、現場の控えめな代役を雇って仕事を任せる。目立たないはずのその代役が次第に本来のキャンディの人生を乗っ取り、キャリアや恋人、社会的な地位までも奪っていくさまがユーモラスに描かれる。
入れ替わりから生まれる騒動は軽妙なコメディでありながら、名声やアイデンティティ、自己演出の脆さを鋭く風刺する。テンポの良い笑いとブラックな要素が交錯し、観客に人間関係や「誰が本当の自分か」を問いかけるエンターテインメントに仕上がっている。