アメリカの短距離サーキットを席巻してきたNASCARチームが、伝統深いル・マン100周年の舞台に挑む姿を追うドキュメンタリー。ヘンドリック・モータースポーツがストックカーを耐久レース仕様に改造し、異なる規則や速さの概念に対応していく技術的葛藤や、開発・テストの過程が緻密に描かれる。エンジニアとメカニック、ドライバーたちが夜通し解析を続ける様子や、空力・燃費・信頼性を巡る決断と試行錯誤が映像の核を成す。
レースそのものの緊張感だけでなく、文化の衝突と融合、人間ドラマにも光を当てる。トランスアトランティックの物流や規則適応、極限状況でのチームワークが蓄積される過程は、勝敗を超えた挑戦の意味を浮き彫りにする。アーカイブ映像やインタビュー、コースでの白熱した場面が織り交ぜられ、モータースポーツに宿る革新性と情熱が静かに、しかし力強く伝わってくる。