サディスティックな連続殺人鬼によって街が震え上がる中、熟練の刑事と新人の救急救命士がそれぞれの立場から事件に挑む。被害者をめぐる残酷な手掛かりとメディアの狂騒、捜査線上に浮かぶ矛盾が緊張感を高め、二人の関係性は次第に互いの技量と弱さを露わにしていく。映像は生々しく、追跡劇と心理的恐怖が同時に観客を引き込む。
真相に迫るうちに、街を覆う流血を止める鍵は外部の犯人だけでなく、自分たちが抱える過去の傷にあることが明らかになる。過去の呪縛と向き合うことで見えてくる動機と裏切り、そして救済の可能性がクライマックスへと収束し、観る者に深い余韻と道徳的な問いを投げかける一作。