1988年のシャッドサイド高校を舞台に、地味なアンダードッグのロリが「プロム・クイーン」選挙に挑む。しかし、人気争いは既に激しく、候補者たちが次々と不可解な事故や殺害で姿を消し始めることで、学校は恐怖と疑心暗鬼に包まれる。友情と裏切り、若さゆえの焦燥が交錯する中で、勝ち残るための戦いは次第に生存をかけたサバイバルへと変貌していく。
作品は80年代のレトロな雰囲気を背景に、ティーンエイジャーの複雑な感情とスラッシャーの緊張感を巧みに融合させる。ネオンやカセットテープといった時代描写、伏線を散りばめたミステリー構成、そして予想を裏切る展開が観る者を引き込み、誰が味方で誰が敵かを見極めるスリルを持続させる。最終的に問われるのは、栄光の王冠を手にする者の正体だけでなく、恐怖の中で何を守り、何を失うのかという選択だ。